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2014年 07月 30日

謎の流血

ヅラ着用での社会生活をはじめて数日。


後頭部に痛みとも痒みとも言えない妙な違和感を感じるまでに、そう時間は掛からなかった。

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なんだか…

後頭部…というか、両耳の後ろが痛いような気がしたのである。

痒いような、でもピリピリと痛むような感覚。

その答えはこれだった。

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ヅラの仕組みとして、後頭部にサイズ調整のアジャスターが付いているのだけれど、強度を補強するために襟足部分だけ生地と縫い目が厚くなっているのだ。

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そんな生地と縫い目の厚さにより、地肌への当たりも強く、靴擦れの要領で耳の後ろを中心とした後頭部に「ヅラ擦れ」が起こっていたのだ。

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仕事に集中出来ない位に、痛痒さがピークに達したため、思わず鏡で後頭部を確認する。

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りゅ、流血してるじゃねーの!!


いや、どうりで痛い筈だわ。
流血しちゃってんだもん。

※流血の表現がマイルドなのは、単純に絵が下手だからです



昔は、グレート小鹿でお馴染みの大日本プロレスを始めとするデスマッチのプロレスも好んで観戦していた為、流血への耐性は強いと思い込んでいたけれども、自分の事となれば話は別。



こんなにヅラ擦れして血が出ちゃってるところに、またヅラなんて被れない。
同じところに分厚い縫い目が当たって余計に痛くなるだけ。
自ら死に向かうようなもの。
それはとても愚かな行為である。

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絆創膏を求めに、Nさんの元へ半ベソで向かう。

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さすがに…


さすがに…それはお願い出来なかった…

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それ以降、耳の後ろに絆創膏を貼ってからウィッグネットを被り、ヅラを被る生活が始まるのであった。


この生活は、初代のヅラを着用している間はずっと続いたのだけれど、二代目のヅラになったら、なんだか収まりがよくヅラ擦れによる流血も嘘のようになくなったのであった。


で、いまこの文章を書いていて2年振りに、ふと思った。


もしかして、ヅラがずれるのを恐れてアジャスターを絞り過ぎていたのが原因だったのでは。


思えば、最小サイズまでギュウギュウに絞ってヅラを被っていたのだけれど、キツ過ぎた気もしてきた…今更だけど…孫悟空の頭を締め付けるアレのような…






ま、いいか。





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by majissukaaa | 2014-07-30 21:46 | Comments(36)
2014年 07月 22日

四角いジャングル

母親の「あら、似合うじゃない」という多くは語らない言葉に見送られながら、ヅラを被って初めての出勤を迎えた。


マンションのエントランス、エレベーターの扉、コンビニエンスストアの鏡、自分の姿が映るもの全てが気になって確認してしまう。


ズレてはいないだろうか。
バレてはいないだろうか。



兎に角、人の目がこわいという強迫観念。

マリオカートのゴーストのようにずっと追いかけてくる。


わたしは今でもよく鏡で髪の毛をチェックしてしまうのだけれども、これは美意識ではなくて、ヅラ時代の名残りで抜けきれない癖なのである。

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そんな風に、人の目に怯えながら会社に出勤した。

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皆になんて思われるだろう。
不安で居るところに、別部署のお姉様に声を掛けられる。

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!?


過剰に反応して裏返った声で返事をしてしまう始末。

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あれ、意外とバレないもんだな…

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そして、事情を知るNさんの優しい言葉に思わず涙する。

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途中、何度もトイレに行き、鏡でヅラずれチェックを実施。
若干ずれていたりなんかして、その度に微調整を行う。

しかし、ヅラは意外とフィットしていて、仕事が忙しい時期ということもあり、自分でも頻繁に構っている暇は無くなってきた。


が、ここで大きな問題がわたしを襲う。


季節は春、4月下旬である。

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汗が…


あ、汗が止まらんのですよ、奥さん!!


ヅラの内側からツーっと滴る汗、汗、汗!!


家では何度も被る練習をしていたのだけれど、実際に長時間外で被るのはこれが初めてだった。

舐めてた。

蒸れる。
暑い。
痒い。


気にすれば気にするほど、ラッキョ頭から吹き出す汗(ラッキョ汁)は止まらず、その度にトイレという名の四角いジャングルへエスケープ。

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個室でヅラを外して、クールダウン。
ハンカチで頭を拭いて、再度ヅラを装着。


そんな事を繰り返していた。


まさか会社の同僚も、私がトイレでハゲ頭全開で鎮座していただなんて夢にも思わなかったであろう。
私だってまさかそんな事になるとは思っちゃいなかったよ。


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余談になるが、会社の同僚であり大切な友人にボリショイちゃんという女性が居る。

※名前の由来は、女子覆面プロレスラーの「コマンドボリショイ」という選手に、小さい体躯と目が似ていることからです。外人さんの様なクリクリとした目です。各自でJWP女子プロレスのページを検索してください。

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ボリショイちゃんは、病気が発覚した時に呑み屋で泣いて大騒ぎしてくれたり、病気平癒の御守りをくれたり、事情を知らない人達がヅラのオッサンの話題をはじめたら話を逸らしてくれたりと、
とにかく素敵で良い子なんですけど、いきなりヅラを触られた時はどうしようかと思った訳ですよ。



でも、こういう人達のお陰で私は頑張れたし、辛い時も色々と笑って過ごせたのだと感謝をしている。


今なら素直に言えると思う。
「ありがとう」と。



あと、
この前いきなり私に向かって「このブス!!」って叫んだこと、あれまだ許した訳じゃないからな。



大好きだよ、バカヤロー!




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理由はグータラし過ぎであったという説が有力です。
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by majissukaaa | 2014-07-22 14:49 | Comments(42)
2014年 07月 08日

前夜の憂鬱

その夜、わたしはオロオロしていた。

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兎にも角にも、もう、とんでもなくオロオロしていたのだ。

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意味もなく部屋を徘徊。
落ち着きがなく、目の焦点は定まらない。
供述は意味不明。
全く手に負えない状態であった。

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そう。

遂に、翌日からヅラを装着して会社に出勤しなければならなかったのだ。

初回の抗癌剤投与から約1ヶ月後の出来事。
2012年4月下旬の出来事。


高級医療用ネットによりヅラずれ問題は何とかクリアしたとは言っても、それはそれ。これはこれ。ヅラはヅラである。


今まで自分が健康な人間として生活している中で、ヅラをお被りになられた男性などを目にすることも多々あった。


誤解を恐れずに正直に言う。
友達と影で茶化したりしていた。


「あの人、ヅラじゃない?」

「プププ、本当だ」

「バレてないと思ってるのかな、ププー」

「今日風が強いからヤバイよね、ずれちゃったりして!」


最低なことだ。

あの時の自分にドラゴンスクリューをかましたい。
(どんな技かは各自検索して下さい、因みに受け身が巧くないと怪我します)



自分が同じ状況に立ってみて思う。

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「人の目が、こわい」



同じように影で何かを言われるんじゃないか。
そんな恐怖に怯え、耐えながら、1年以上も生活出来るんだろうか。


前夜の憂鬱は得体の知れない化け物になって、わたしの頭と身体を支配する。

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眠れない。




何度も起きては、ヅラを被って確認。
それはもう、何度も何度もリハーサル。

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(大丈夫だよね、バレないよね、バレても平気だよね)


言い聞かせても憂鬱は襲う、容赦なく。


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結局、まともに眠れないまま朝を迎えた。



母親には不安な顔を見せてはいけないと思い、明るく振る舞う。



泣いても笑っても、今日からヅラを被って会社に行かなければならないんだから腹を括らないといけないんだ。




っていうか…



どうでもいいけど…


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めっちゃ寝不足!!!


むしろ、寝不足で顔がブスなのを陰口叩かれるレベルなのであった。





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私の仕事が出来すぎるせいか、出来なさすぎるせいで仕事を任せられないか、どちらかだと思うんですけれど異動先の部署がいまのところそんな忙しくないのでこの隙に更新頑張ろうと思う次第でござります。
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by majissukaaa | 2014-07-08 19:19 | Comments(34)